フランキンセンスの語源は、
古フランス語のfranc encense 「醇正(じゅんせい)な薫香(くんこう)」に由来します。

フランキンセンスの歴史は古く、紀元前40世紀にはエジプトの墳墓から埋葬品として発掘されているため、
このころにはすでに焚いて香として利用されていたと推定されています。
古代エジプトでは、日の出・正午・日没に、それぞれ1日3回、違う香りが焚かれていました。



日の出にはフランキンセンス(乳香)、正午にミルラ(没薬)、日没にはキフィが、それぞれ焚かれていました。

日の出に焚かれていたフランキンセンスは、太陽神ラーの汗が固まったものと信じられ、フランキンセンスを燃やして立ち上る薫香は、魂をラーのいる天へと連れて行ってくれると信じられていたそうです。
神に捧げるための香という点は古代のユダヤ人たちにも受け継がれており、聖書にも神に捧げる香の調合にフランキンセンスの記述が見られます。
ベツレヘムでイエス・キリストが生まれた時に東方の三博士がお祝いにそれぞれ捧げた贈り物が黄金、ミルラ、そしてフランキンセンスでした。
フランキンセンスはかつて黄金と同等の価値を持っていたのです。